「ちゃんと呼べよ。」

「雪杏ちゃん、あーくんって呼んであげて?」

こそっと耳打ちしてきた昴。

『あーくん?』

満足そうに笑うあーくんに、なんだか私も自然に笑顔になれた。

「雪杏、オレが嫌いか?」

急に真面目な顔して聞いてきたあーくんに。

『ううん。そんなことないよ。』

「でも…。」

『うん、過去はキライ。だけど、所詮相手の人達は他人だし。私の友達にそんな子いないだろうしね。もしいたとして、あーくんを好きで近づきたくて…って気持ちじゃなかったとしたら、ちょっと抵抗あるかもしれないけど。』

「ただ、抱かれたかっただけとかって、理由ならってこと?」

昴がそう聞いてくる。

『うん。友達だったら、あーくんに対して拒否反応はでるかも。もし、私があーくんを好きだったとしたら、友達とそんなエッチした人はちょっとね…。私の性格上、ムリかな。』

あれ?

あーくんが固まってる?

「オレ、いたらどうしよ~!」

炎が焦ってる。

『まぁ、そんなバカな子、友達にはいないよ、きっと。』

「なんで炎が焦ってんだ?」

昴が冷静につっこんでた。