白濁が弾けて、割れた腹筋へとこぼれる。身体を震わせ、目から涙を溢れさせ、実に無様な姿を晒している。つい最近知り合ったばかりの男に。

「んふっ♡いっぱい出たね……僕も、そろそろ……頂いてもいいよね……♡」

宮本はジーパンのチャックを下ろすと、あらわになった熱を下に擦るように当てた。彼のモノも大きく隆起し、既にそこは先走りで濡れていた。男にしては潤った唇をぺろりと舐めると、ソレはゆっくりと中へ侵入してきた。

「あ"ぁあっ……!!や、ぁあ……っ……入って、ぇ……っ……抜けっ……み、や……ぁ……!!」

「っ……はぁぁっ……♡最っ高だよ……キツくて、熱くて……処女貰うのは、久しぶりっ……んっ……これは、すごく楽しめそうだねっ……。」

ミチミチと音を立て肉壁を押し広げ、ゆっくりと宮本を受け入れていく。熱を帯びたソレは太く、硬かった。しかし充分にほぐされた穴にソレはむしろ、行為を悦ぶようによく締まる。挿入された異物を吐き出そうともがき、苦しさにシーツを強く引っ張り、ベッドの上を乱した。

「んっ♡……ぜーんぶ、入ったよ……九条君……君、才能あるんじゃないの?どこをとってもパーフェクト……ノンケなのが惜しいくらい……。」

「っ……う……嘘、だ……ぁ、っ……。」

「ほ・ん・と♡……そんな怖い顔しないで、楽しもうよ……薬のおかげで、痛くないでしょ?ほら……っ。」

宮本が腰を引くと、彼のモノがズルリと動く。ガッチリと俺の腰を掴んで、逃がさぬようにと指圧が骨盤に響く。しかし中を撫でられる感覚は、なんだかもどかしくて、薬に更に脳を、思考を犯される。

「ひぃっ!……く、っ……う……ごくなっ……!」

「ふふっ……震えちゃって……そんなに僕が欲しいなら、たっぷりあげるよ……っ!」

今度は腰を強く打ち付け、勢いよく彼自身が中へと割り込んできた。その勢いは腸の奥まで突き抜け、強く甘い電流が全身を支配し、一気に脳を溶かす。

「あ"う"っ……!はっ……あぁ…っ………て……。」

「ん……何?どうしたの?」

「っ、手……痛いっ……から……取って……。」

「……あらら、擦れちゃってたか……ごめんねぇ、退院したばっかなのにまた傷増やしちゃって。でも……取ったら君は、このまま逃げるんじゃないの?違うかい……?」

彼はイタズラな笑みをうかべると、また腰を動かす。その律動のテンポは遅いが、薬に浸った俺にはよく効いた。麻薬のように中毒性のある刺激に、剥き出しの本能は興奮した。

「っ……!あぁっ……あ、ア……やっ……っ!……ぁ……に、げ……ねぇ……からっ……んぁあっ!」

「ふふっ、ほんとにぃ?じゃあ、それらしくっ……可愛く、お願いしてよ……僕が満足、出来るようにさっ……!」

「ひっ……あぁあっ……だ、め……っ!」

自白剤と媚薬が配合された彼の薬により、とろけた脳が身体を作り変えていく。淫魔のように性を求め、与えられた肉慾に悦ぶその姿は、政府軍部隊長あるまじき姿だ。淫らに乱れ、つい先程までの威勢は何処かへと消え、後に残るのは性的欲求に勝てなかった、ただの動物。刺激を求める、牝犬に成り下がったのだ。

「ほら……どうしたのっ……お願いするときは、なんて言うんだっけ……ねぇっ……?」

「んぅっ!!……はっ……あ、ンっ……ぁ……あ"っ……お……お願いっ……しま、す……うっ……んっ、ぁ……!」

「!……なぁに……お願いって……その可愛い口からっ……ちゃんと、言ってくれないと……分かんないよっ……?」

彼は驚いた顔をすると、メガネの奥の瞳が鋭く光る。何かのスイッチが完全に入ったのか、先程よりも宮本の顔は大層悪い顔をしている。緩かった律動に体重をかけ、重く奥まで到達するようになった。その度、俺はだらしなく口を開けて声を荒らげる。彼に突かれる度に、何かが失っていくような感じがした。そして刺激を与えられる度、自分ではない何者かが、いや、何かが俺の中からドロリと溢れてくる。

「あ"ぁっ!……ア、ぁ……手のっ……縄っ……解い、て……っ……んぁあっ……!」

「解いてっ……?解いて『ください』でしょっ……そんなんじゃ、僕はっ……言う聞かないよ……?」

「んぁっ……!あっ、ア……っ……な、わ……解いて……くら、さっ……イっ……あ"ぁ、あっ……まっ……ダメっ……あ、あぁあっ───!!」

3度目に達した白濁は、今までとは違ってよく飛んだ。俺の顔にまでかかり、独特な臭いを放つその液体の熱さを実感した。風邪を引いたようなボーっとした熱と、勢いよく放たれたその熱に、クラクラと目眩がする。

「う、うぅ……んっ……ぁ……はっ……ア、ぁ……っ……。」

ビクビクと身体を震わせ、達した余韻に浸る。生理的な涙が頬を伝いベッドに落ちる。顔に付いた液体が、もう汗なのか涙なのか、はたまたそれ以外かも、もう分からない。

「っ……きっつ……!……へぇ……これだけで、イっちゃうんだ……。」

彼はそう呟くと、約束どおり手首に縛られた縄を解いた。擦れて赤くなった所と、内出血により赤紫になった痛々しい跡が残った。

「……ごめん……もう……っ!」

彼は俺を横に倒すと、太ももをがっつくように持ち上げ、一気に中へ入ってくる。

「ふぁあっ!?」

「っ……僕っ、もう……我慢の限界だよっ……初めてだから、優しく抱いてあげようかとっ……思ったけど、もう……色々限界っ……!」

彼は先程よりも乱暴に俺の中を乱した。その動きは、絶頂を迎えたばかりの俺には強すぎる刺激で、それでいてまた、俺の身体を悦ばせるものだった。

「ひぁあっ!?……あ"っ!……あぁっ……♡やっ、まだ……イった、ばっか……なの、に…ぃ……っ!」

「っ……可愛い声っ……でも、ごめんっ……抑えるなんで……無理っ……っ!」

「や、ぁあっ!……激しっ……ン"、あ"ぁっ!……やらっ……い、やぁ……!」

「ごめんっ……ごめんね……!僕っ……んっ……はぁっ!……はっ……もっ……イくっ……!」

「っ!らめっ……なか、は……や、ぁあっ!……やらぁっ……!」

早くなる律動にまた俺自身が反応する。熱い彼のモノが大きく膨らみ、それが絶頂に向かっていることが中で分かった。

「くっ……はぁっ……はっ……ぁ……出るっ……っ───!」

「あぁああぁっ……!……や、うぅっ……っ……はっ……熱、ぃ……。」

「っあ……はぁっ……はぁっ……はっ、ぁ……はぁ……。」

ゴポッっと鈍い音が鳴る。彼のモノが引き抜かれると、吐き出された熱が俺の中から溢れ出る。腰がピクピクと震え、ほとんど放心状態だ。しかし、まだ俺のモノは萎えてはいなかった。

「っ……ふふっ……はははっ……!」

突然笑い出す宮本。彼は俺を見下ろすと、口元を弓なりにして言った。

「ヤバイ……僕、今まで1番楽しいかもしれないっ……!」

「っはぁ……はっ……っ……お……れ……。」

「!!……何っ、なんだい……?言ってごらん……?」

「お、れ……まだ……足んないっ……まだ……中、に……欲し、い……っ……。」

俺が失い続けたものは、理性という名の羞恥心だった。正常な俺がこの姿を見たらなんと言うだろうか。宮本は更に喜び、子供のようにはしゃいだ。

「あっはは!本当に!?じゃあっ……もう、遠慮はしなくていいよねっ……僕っ、今が1番幸せかもっ……!!じゃあっ……!」

彼はメガネを外すと、今までで1番の笑みでこちらを見た。

「……最高の時間を、九条君に……僕からあげるよ……!」