走っていく2人の姿に
プッと笑ってしまう。
「なんか…、ボールが
大きく見えちゃうね。」
片手では収まりきれない
サッカーボールを
両手で大事そうに
抱えていたんだ。
『あのボール、
宝物なんだって。』
「―…宝物??」
『うん。
俺も2人に言ったんだ。
お前らには
そのボールは大きすぎって。
そしたら怒られちゃった。
「小さいボールは偽物だ!」
ってさ。』
「公式ボールじゃないから?」
『うん。
だから今のうちに
本物のボール使っておけば、
一番上手くなるはずって。』
「―…可愛いね。
きっと上手くなるよ。」
私は勇介の顔を
少し見上げて微笑んで言った。


