――――――…
外に出ると
辺りはすっかり暗かった。
さっきまでは
制服姿でメイプルを
抱きかかえていたのに、
今は私服に着替えて
公園に向かってる。
今日は一日中、
勇介の顔みてる気がする。
不思議な感覚だけど
やっぱり嬉しい。
ホワイトデイだし…
今日はいっぱい
甘えてしまおう!
私が向かったのは
付き合って初めて
キスを交わした日に訪れた
土管のある近所の公園。
――…
『チャリぶっ飛ばして
そっち行くから
どこかに
フラフラするなよ?』
勇介はそう言い放って
すぐに電話を切られたんだ。
そんな些細な気遣いが
すごく嬉しい。
大事にしてくれてるんだなぁ
って、しみじみ感じた。


