‐部恋。 Round 02‐




とりあえずその場で
足を止めて
耳をすましてみると

距離が離れた所から
のんきな足音が聞こえた。



アイツ……(笑)
追いかけない気じゃん。



それがまた悔しくて、
本気で家に帰ろうと
決心して歩き出すと
話しかける彼の声。



『歩くの早いってば。
 ――…待ってよ。』


なら追いついてよ、と
心の中で私は言い返す。


すると、やっと
小走りする音が
聞こえてきた。