すると勇介は 構えていた手を そっと下におろす。 『今―…誰もいないよ?』 おでこを合わせた状態のまま 勇介はそっと囁いた。 あんなに拒否していた私は どこへやら…; そう囁かれたら いつのまにか勇介しか 見えてなくて――…。 意志弱いな、自分…;(笑) 少しだけ見つめ合うと 勇介は目を伏せて 私の口元に ゆっくりと近付く。 私もそっと目をつむる…。