‐部恋。 Round 02‐



すると勇介は急に
真剣な顔になって
笑ってる私を見つめた。


近距離なだけで
心臓が飛び出そうなのに、
こんな近くで
ジッと見つめられると
目のやり場がなくなるんだ。



「――…近い。」


思わず今の状況
口に出してしまう。


『うん。近いね。』


なんでそんなに
平常心なのっ!?



『――…いい?』


勇介はもう一度
私に聞いた。



「――…だから。
 聞かないでってば。」


『……だめ?』


「じゃなくて――…、
 聞かなくていいから
 その……さ、
 ムードとか読んでさ?」


『分かった。』


私は黙って勇介の目を
ジッと見つめた。