「勇介――…? どうした?」 『―――…。 今日は遠回りしよ?』 「遠回り? 体調悪いんでしょ?」 『――…それはウソ。』 「なんだぁ……; ウソで良かったよ。 風邪だったら どうしようかと思った。」 私が肩をなでおろして 息を大きく吐くと 勇介はクスクスと 笑っていた。 「…なに笑ってんの。」 私は少しムッとして 勇介の背中を叩いた。