「本当に、ちゃんと分かって欲しいから言っておくけど。全部、冗談とか、作品を伸ばすためだとか、そういうつもりで言ってるわけじゃないから。一生大事にしたいって、本気で思ってるから」
それだけは知ってて、と真っ直ぐ私を見る彼。私は、彼の言葉を脳内で何度もリピートしては顔を熱くした。
「岩崎さん、〝一生大事にしたい〟って、流石に言い過ぎじゃ……」
まるでプロポーズのような言葉。どれも嬉しい言葉ばかりが並んでいたけれど、その言葉は、私の中に一番大きく響いた。
「本気だよ」
「えっ」
「そのくらい、大事だって思ってる。……まぁ、でも、プロポーズするなら、ちゃんとハッピーエンドを書かせてからかな」
いたずらに彼が笑う。私は、彼につられるようにして口角を上げた。
「それって、いつの話」
私がそう呟いて歩き出す。すると、右隣に並んでいる彼が私の右手をとった。
「俺といれば、自然とすぐ書きたくなるんじゃない?」
早めに頼むよ、と付け足して、彼が笑う。
私は、彼と家路を歩きながら、これまでに感じたことのないような幸せを噛み締めていた────。

