難あり編集者と極上に甘い結末


「でもさ」

 真っ白になってしまったメール作成画面。それを見ながら岩崎さんが口を開いた。そんな岩崎さんの方を見てみると、彼は続けて口を開いた。

「君、本当に今後も俺と〝仕事のパートナー〟としてやっていけるかな」

「え……?」

「昨日、君が泣いた理由。自分で分かってる?」

 彼の問いに、私は首を縦に振ることも、横に振ることもできないでいた。

 でも、私が泣いた理由。それは今、私が探し求めている答えで、胸の奥にある大きなしこりの原因だということは確信していた。


「知りたい?」

 岩崎さんが、優しい表情で私に問う。

 知りたい、と、私は強く思ったけれど、ここで首を縦に振りたくないと、意地が邪魔をしてくる。

 この胸の奥につっかえている大きなしこりは、そこにあるだけで、苦しくて、苦しくて、できることなら壊してしまいたい。だけど、彼にその理由を聞くのは、負けてしまうみたいで嫌だった。


「知りたい、って顔に書いてる。まぁ、知りたくないって言われても教えるつもりだったんだけどね」

 彼は、くすくすと肩を震わせて笑う。私は、全てを見透かしたような彼に敗北感を感じつつ、次の彼の言葉を待っていた。