レジカウンターの中で、商品の発注をしながらお客様の対応をする。
段々と眠くなってきた私が、お客様に見られていないことを確認してひとつ、小さく欠伸をした。すると。
「欠伸する暇あるなら、レジ、お願いします」
という言葉と同時に、カウンターにブラックのコーヒー缶とカフェオレが置かれた。
「すみませ……って」
慌てて閉じていた瞼を開き、カウンターに置かれたコーヒー缶を手に取る。ふと、顔を上げると、そこにいたのは岩崎さんだった。
「岩崎さん……え、あの、どうしてここにいるんですか」
コーヒー缶を手にしたまま、岩崎さんに問う。
「如月さんがメールを無視するので、家に行こうかと思いまして。で、ここに寄ったら見つけちゃいました。メールの返事くらいはちゃんとしてください」
まあ、俺が悪いんだけど、と付け足して苦笑いを浮かべる岩崎さん。
「別に無視してたつもりは……それに、今日返そうと思ってましたし」
私が慌てて弁解をすると、岩崎さんは私の話を聞いているのかいないのか、視線を左方向にずらした。
「それよりさ、あれ、知り合いなの?」
「え?」
岩崎さんが視線を向けている方を見る。視線の先の出入り口。その向こう側には、少し前に成人雑誌を購入した色白の男性が立っていた。

