難あり編集者と極上に甘い結末


「やっぱりそうよね。でも、ここもおかしな人が来ることあるから、夜中なんかにシフト入る時は気をつけてね」

「はい。ありがとうございます」

「それじゃあ、お先に休憩いただくわね」

「はい」

 オーナーがレジ裏の扉の向こう側にある小さな休憩スペースへと入って行く。私は、お客さんが一人という静かな店内をぼうっと眺めながら今日のご飯は何にしようか、なんて呑気に考えた。


「すみません、これお願いします」

「あ、はい。かしこまりました」

 ぼうっとしていると、カウンターの向こう側にいた色白の中年男性が私に声をかけた。はっとした私は、その男性が差し出してきた成人雑誌のバーコードを読み込んだ。

「お会計一点で、640円でございます」

 男性が千円札を差し出す。私はそれを受け取り、360円を男性に手渡した。

「お釣り、360円のお返しです」

 ありがとうございました、と言い男性を見送る。

 閉まっていく自動ドアの向こう側。私は、段々と暗くなっていく空の色を眺めながら、今執筆している作品の文面を思い返し、次はどこを指摘されるだろうかと考えていた。