難あり編集者と極上に甘い結末


「あの……でも、私、ハッピーエンドは書けないんです。幸せな結末が浮かばないというか、ここ数年書いてないですし、急にそんなこと言われても困ります」

「書けるよ。俺ならきっと、君に幸せな結末を書かせることができる」

「だから……」

「担当になったからには、今目の前にいる〝沼川千草〟という作家を、このままで終わらせるつもりはないから」


 覚悟しておいて、と言って笑う岩崎さんがソファーから立ち上がった。立ち上がった岩崎さんは、そのままリビングを出ると玄関へ向かって歩き出す。

 いきなり現れ、柔らかな物腰で私に矢を差し、好き勝手を言って帰っていく彼。私は、そんな彼の背中を黙って見続けていた───。