両親は隣町で写真屋をしていた。 小さい店構えとはいえ、 仕事に追われる毎日だったようだ。 定休日は水曜。 学校が休みの週末も、祝日も、 家ではずっと一人だった。 寂しくなかったわけじゃない。 それでも、幸せだった。 忙しいのに、 毎日ご飯の用意をしてくれる母さんがいて、 運動会には ピカピカのカメラを構える親父がいて、 そんな両親が誇らしかった。