「え…?」








耳を疑った。








1ヶ月しか生きられない…?








「ホント、に…?」








「ホントだよ。膵臓癌。もう末期なんだ。」








「…」








言葉が出なかった。








「それでもいいなら。」








宮崎くんは、優しく微笑む。








私は、ゆっくりと口を開く。








「むしろ…その大切な1ヵ月を私にあげていい








んですか…?」








「いいよ。だって僕も、水本さんが好きだっ








たから。」








心臓が飛び跳ねる。








「じゃあっ!私が、あとの1ヶ月。最高に楽








しい思い出にしてあげます!」








「うん。よろしくね。」








そう言って、優しく微笑む宮崎くんは








とても、かっこよくって








すごく儚げだった。








こうして始まる








花のように咲き、








花のように、儚く散ってしまう








花初恋の始まり──────