「ここが、里倉先生の…お宅。」 地図を渡されて来た場所は、 高級住宅街の1軒。 真っ白な、一軒家。 でも、表札は… 「宮崎…っ」 ドクン、と心臓が波打つ。 まさか。 まさかまさかまさか。 そんな事。 あるわけないから。 そう言って、自分の心を落ち着かせる。 だって、あの夏 彼は居なくなったのだから。 心臓の音が大きくなる。 だって、里倉 なみ先生、ですよ? 女性、ですよ? そう言って、インターフォンを押す。