出口を出てもいないから
タクシーで降りたところへ行くと
蕪木廉が近くのベンチで座っていた
もちろん顔を隠して
「もー馬鹿じゃないの?」
蕪木廉があたしに気づくなりあたしはそう言った
「だって」
蕪木廉は拗ねるように言う
「眼鏡外したんでしょ?
そうなんでしょ!!」
あたしは蕪木廉を尋問するように問い詰めた
蕪木廉はコクリと頷く
「はぁ〜
なんでそんな自爆行為するかな
眼鏡かけてもイケメンなんだから
外した顔なんて気になるに決まってるでしょ
・・・あ!」
あたしは慌てて口を抑える
今自分で蕪木廉の顔面褒めちゃった!!!
すると蕪木廉はニヤッと笑い
「ふふ〜ん?」
と機嫌よさそうに立ち上がった
「俺イケメンなんだ〜」
蕪木廉はあたしを見下ろしながらそう言った
無駄た背が高いのがむかつく
「そ、そうだよ!
じゃなきゃアイドルなんてできないでしょ」
あたしは言い訳のように言った
「茜からみても俺ってイケメンなんだね」
そう言って蕪木廉はわざとらしくあたしの顔を覗き込む
「うるさい!」
あたしは蕪木廉の顔を払った
「てかもういないんじゃね?」
「いや!そんなに時間たってないからまだ近くにいるはず!」
遠くからさっきの女の子達の声がした
あたし達は一瞬顔を見合わせる
「あー!もー!行くぞ!」
蕪木廉はそう言ってあたしの腕を掴んだ
「え!?は!?」
戸惑うあたしをよそに蕪木廉はあたしの手を引いて走り出した
あたしも続いて走り出す
女の子達がついてくる気配はしない
