お前のことは好きだけどそれがなにか?








施設から車で20分くらいのところに水族館はあった









つーかなんで水族館・・・










蕪木廉は慣れたように運転手さんにお金を払いタクシーを降りた








「なにしてんだよこいよ」









蕪木廉は座っているあたしに言う








あたしは仕方なくタクシーから降りた









「一体何がしたいわけ?」








当たり前のように水族館へ歩いていく蕪木廉に言った









水族館の中は青と水色と影の色で幻想的な雰囲気がしていた









なんか落ち着くかも









平日のため人も少なかった









「先生に怒られるよ?」









横に並んで歩く蕪木廉を見もしないで言った









「なんとかなるっしょ

少なくともあそこでじっとしてるよりはマシかもよ」








蕪木廉はそう言った








もしかしてあたしのこと気遣って連れ出してくれたのかな?









こうやって2人きりで会うのって意外とないんだよね








同じ家にいても蕪木廉は仕事で忙しくて帰っくるのはいつも12過ぎだし









「なんかデートみたいだな」








蕪木廉はわざとらしくそう言って笑った








「バッカじゃないの」








あたしもすかさず反論する












「あいつどーなったの?

あのー奈那ってやつ」










蕪木廉は気まずそうに聞いてきた











「うん

連絡とれないしどこにいるのかもわかんないからどうにもならないかな

今のところ

謹慎処分で活動してないし

何してるのかもわかんない」









あたしはそう言った









「そっか・・・」










「あたしさ、奈那とは小さい頃からの幼なじみで


奈那がアイドルになりたいってずっと言ってるのを隣で見てきたんだ


だから奈那が事務所のオーディション受かったときは心の底から嬉しかった


だからあんなことがあっても絶対弱音なんて吐かないと思ってた」











気づくとあたしは色々なことを蕪木廉に話し始めていた










蕪木廉は聞いているのか聞いてないかのような横顔をして黙っている










「だから久しぶりにあって直接週刊誌の話されてもう辞めちゃおうかなって言われて


すっごくショックだった


あたしそんなこと言わないでよって奈那に言っちゃって


あんたにあたしの何が分かるのよって怒って行っちゃぅたんだ


奈那の気持ちなんてこれっぽっちも考えてなかったんだよあたし」











あたしは下を向きながらそう言った











蕪木廉はまだ黙っている











こいつ聞いてないのかも











「ごめん

自分のことで精一杯だよね

今の気にしないで」











あたしは急いでそう言った