私はなにもいう言葉がなかった
信じられない現実と芸能界の怖さを思い知った気分
「もう辞めちゃおうかな」
奈那は開き直ったように言った
「そんな・・・
トップアイドルになるって約束したじゃん
奈那のデビュー曲はあたしが書くって・・・」
「あんなになにがわかんのよ!」
奈那は大声を張り上げ机を叩いた
周りのお客さんの視線を感じる
個室なのが唯一の救いだった
「私は・・・私はずっと表舞台でデビュー目指して頑張ってた
ようやくチャンスも掴んだ
でもあんたはなによ
なにも努力してないじゃない」
「奈那・・・」
「同情なんてやめて
あんたと私を一緒にしないで」
「約束なんか知らないわ
もう2度と会わないで」
そう言って奈那は店を出ていった
