玲子に学園の案内をさせてもらっていたらあっという間に1限が終わってしまった
あたしたちはロッカースペースに行ってそれぞれのロッカーから教材を取り出す
教科は現代社会だった
教室に入るとまだ誰もいなくあたし達だけ
玲子は自分の席に座り教材を並べる
ちらほらと生徒達が入ってきて
玲子の隣に突っ立っているあたしを不思議そうにみる
よくよく見れば20人くらいしかいない
たしか玲子もここは少人数制だって言ってたな
先生が入ってきてあたしをみるなりこっちこっちと前にくるように手招きした
ホワイトボードの前にたったときちょうどチャイムがなった
「えー授業を始める前に転入生を紹介する」
おじいちゃん先生はあたしを見つめた
なにか言わなきゃ
「えーっと・・・」
緊張する
改めて教室をみてみると蕪木廉がさりげなく座っていた
笑うのを必死にこらえている感じ
むかつく
「今日からお世話になります
河瀬茜です
よろしくお願いします」
あたしはぎこちなく頭を下げる
生徒達は周りの友達とコショコショ話をしながらあたしを見ている
「河瀬さん
空いてる席座って」
「はい」
空いている席を探すと真ん中の席しか空いてなかった
ありえない
普通端っこの一番後ろでしょ!
しかも隣蕪木廉だし
あたしが渋々席に座ると
「ちょっと忘れ物したからとってくる」
とおじいちゃん先生が教室を出ていってしまった
「おい、転校生」
後ろから声がする
男の人の声
生徒達が一斉にあたしたちに注目する
「聞こえないのか」
そう言って後ろの男子はあたしの席を軽く蹴る
「なんですか」
振り向くとどっかでみたことあるような男子が後ろの席に座っていた
えーっとたしか・・・
「昂輝!茜にちょっかい出さないでよ!」
前の席の玲子が立ち上がり注意した
昂輝・・・
あ!唐澤昂輝(からさわ こうき)だ
唐澤昂輝とは蕪木廉とおなじ『Emperor』のメンバーでありもう1人のセンター
由美がいつも「唐澤くん!」なんて言って騒いでたっけ
「可愛い転校生に声をかけて何が悪い
俺はショートカットが好みなんだ」
唐澤昂輝があたしの髪を触ろうとしたその時
バシッと誰かがその腕を掴んだ
「なんだよ廉」
上を見上げると蕪木廉がそこに立っていた
「そいつに構うな」
蕪木廉は冷たい目で唐澤昂輝をみる
「は?」
唐澤昂輝は少しキレ気味で聞いた
「こいつに構うなって言ってるだろ」
蕪木廉も少し怒っているようだ
教室に緊迫した空気が流れ込む
「ちょっとなんであんたが出てくんのよ!」
玲子は少し馬鹿なのか蕪木廉に怒っていた
「唐澤、こいつには話しかけるな
もちろん触るな」
え、ちょっと・・・
何言ってんのこいつ
「お前何様のつもりだよ
こいつの父親か?」
唐澤昂輝はあたしを見ながら聞く
「いいから近づくな」
蕪木廉がそういったところで先生が入ってきた
「転校生に群がるのは別にいいが授業に戻れ」
立っていた玲子と蕪木廉は仕方なく座り
唐澤昂輝は蕪木廉を睨んでいた
初めての授業なのにこんな展開いらないよ・・・
