お前のことは好きだけどそれがなにか?







時計をみるともう9時をすぎていた








マスターのお店は明かりがついていて








少し騒がしい音が聞こえる









「ここって・・・」









「夜はバーなんだ」









蕪木廉が扉を開けると








数え切れないほどの人たちが店内を埋め尽くし









洋楽がガンガンなっていた









人混みをかき分けカウンターに座るあたしと蕪木廉








カウンターの内側にはマスターの他に若い男性のバーテンダーがいた








店の中を見渡してみると








なぜか見たことのあるような顔で溢れている









「蕪木廉、もしかしてここ会員制?」








あたしは蕪木廉を軽く叩いて聞いた








「今頃かよ
そうだよ」








蕪木廉は呆れたように呟いた









「やっぱり〜!」









店内にいるのは芸能人ばかりで








普段会えないような人が沢山いた









「ちょっと!あたしがいちゃまずいんじゃないの?」








「え?」








どうやら蕪木廉には音楽のせいであたしの声が聞こえないらしい








「だから!あたしここにいていーの!?」








わざとらしく大きな声で言う









「え?なに?聞こえない!」









蕪木廉はわざとらしくあたしに体を寄せて耳を近づける








「あたし!!!帰ったほーがよくない!?!?」








もう怒鳴り声に近い









「わっかんねーよ!!」









蕪木廉は笑いながらこれ以上無理ってくらい近づいた








「聞こえてんでしょ!」









あたしは蕪木廉を軽く叩いた








「ははは」








蕪木廉が笑った








そういえばこいつの笑った顔見たの初めてかも








テレビでもあんまり笑わないし









「おー2人とも

どうだった?」








マスターがあたし達の所へきた









「ここじゃなんだから奥に案内するよ」








マスターは奥の方に行き小さな扉を開けた









蕪木廉とあたしはマスターに続いてその扉の中に入った