「河瀬お前失恋したのかよ?」
休み時間
さっきの話を蒸し返すかのようにクラスの子たちがあたしの席に集まった
「うるさいなー違うっつーの」
「河瀬、隣がいないから俺が埋めてあげるぞ?」
クラスのそこそこ人気ある織田はいつもこういう冗談を普通にするから反応に困る
しかし、面食いな女子がいかにも否定するかのように
「織田くーん!誰にでもそんなこと言っちゃダメだよ?」
こんな風にまるであたしがからかわれてるようにしゃしゃりでる
「別に俺は誰にも・・・」
織田がぶつぶつ言うのを遮るかのように女子は全然違う話題を織田や男子に押し付ける
注目の的が他へ言ったところで由美が詰め寄ってきた
「男好きこわー」
「わかりやすいよね」
そんなことを無表情で交わしながらいつものトーンで世間話をする
由美とは中学の頃部活が一緒になってそれ以来ずっと仲良し
同じ高校に上がってお互い帰宅部になったけど
バイトが一緒だったり今年(2年生)同じクラスになって最近はほとんど由美と過ごしている
「てかさ!織田って絶対河瀬のこと好きだよね」
由美だけは中学から男子と同様あたしのことを名字で呼ぶ
「は?なわけないじゃん」
「いや、女の勘ってやつ?
なんかわかるんだよねー」
「なにが女の勘よ」
「だって河瀬だけだよ?女子で話しかけるの
あんなに人気があって、数え切れないほどのファンがいるんだから
あんたもそれなりに顔は整ってるし、人気もあるんだから気があって当然だよ
まぁうちほどではないけどね」
「ははっ」
由美のナルシスト発言には毎回笑っちゃう
「笑ってる場合じゃなくてさー」
「ありえない。第一位あいつ彼女いるし」
「え?は!?マジで!?」
「うん」
「待って待って聞いてない」
「うん。言ってない」
由美は顔を覆ってオーバーなリアクションをする
「数少ないフリーのイケメンだったのに・・・」
「サッカー部なんてチャラいだけだよやめとき」
「うるさいなー!サッカー部は華があるのよ!
てゆーかなんであんたがそんなこと知ってんのよ」
「ずっと相談乗ってたから
彼女あたしの知り合いなの」
「そういうことか・・・・・・」
「だから言ったでしょ。ただの仲のいい友達なの」
「いやもうそれはいいとして、あいつ彼女いたのかよーーーー」
「え!?由美狙ってたの!?」
思わず声が大きくなり由美は慌ててシーという仕草をした
「狙ってるわけないでしょ!
そういうことじゃなくて、イケメンには夢を持ちたかったのー」
あーあーとヘコたる由美は本当にショックを受けているようだ
