お前のことは好きだけどそれがなにか?












バックから教材をとりだす







「おい、えのき


まさか本当に勉強するつもりなのか?」









「当たり前でしょ?

夏子さんにお願いされてるんだから

それにあたしも城乃内学園の教科書とか見ておかないと」










「はぁ?えのき城乃内入んの?」









蕪木廉は驚いた











「だからそのえのきやめてって」










「なんでえのきが城乃内来るんだよ」










こいつ話聞いてない・・・










「城乃内学園に通うことが夏子さんの家に置いてもらう条件なの」










「はぁ〜そういうことか」










「とにかく勉強するわよ」











シャーペンを握るとおじさんがあたし達の席にコーヒーを置いた









「お嬢ちゃん、ミルクコーヒーで大丈夫だったかな?」








「はい、ありがとうございます

いただきます」








「廉、この子はガールフレンドかね?」









おじさんは腕組をしている蕪木廉に訪ねた










「うん」









こいつってば昨日から勝手なこと言いやがって








否定って言葉を知らないのかな?









「違います


ただの家庭教師です」










あたしはすかさず訂正した









「廉が勉強なんかするのか?」








「うるせーなー


さっさといけよ」









「今までの家庭教師全部クビにしたって聞いたけどこの子は違うようだね


まぁこんなに可愛かったからしょうがないか」











おじさんはそう言って笑いながら奥へ消えていった








「さて、邪魔者がいなくなったところで大事な話をしようか」










蕪木廉はブラックコーヒーを1口飲みテーブルに置いた










「大事な話?sinθcosθtanθ(高一で習う数学)とか?」









「お前ふざけてんのか?」










「あら、あたし達は冗談言い合う仲じゃないでしょ」









はぁ〜と蕪木廉は深くため息をついた










「秋葉奈那ってやつのことだよ」











あたしは固まった









こいつの口から奈那の名前が出てくるなんて










「週刊誌に載ってたの俺じゃないよ」










「え?」










どういうこと?










「実際俺はその日写真集の撮影でラスベガス行ってたから」









ラスベガス!?








頭が混乱する










「じゃ、じゃあ週刊誌に載ってたのは・・・」










「多分偽物」










「偽物?」










「そう偽物


最近多いんだよ


俺らの名前名乗ってそういうことする奴ら」










そんな・・・





こんなのってある・・・?








「実際、一般人だけじゃなくてアイドルやモデルも被害に遭ってる」











「じゃあ奈那は蕪木廉じゃなくて蕪木廉のフリをした一般人と一緒いたところを写真に撮られたってこと?」









「多分な


俺もその週刊誌みたけど


服装が雑誌で着てた服そのものだったし」










なんてことだろう









あたしは言葉を失い




知らず知らずのうちに泣いていた







綺麗な教科書が少しずつ涙で濡れていく







「お前本当友達想いだな」








そう言って蕪木廉はあたしの頭を撫でる







こいつに同情されるなんて嫌だったけど






今はプライドなんてどうでも良かった







ただ誰でもいいから慰めてほしかった











「蕪木廉・・・」








「なんだよ」








「あたし、そいつに復讐したい


犯罪者として警察に突き出したい」








気づくとあたしはこんなことを口にしていた







多分いま蕪木廉は困った顔をしているだろう







下を向いているからわかんない








「いいよ」








「え?」







「そいつのことみつけてやろうぜ」









うそ、蕪木廉があたしに協力してくれるの?









「いいの?」









「俺のせいでその子には迷惑かけちゃったみたいだし



それに・・・」










「それに?」









蕪木廉は申し訳なさそうに呟いた










「カラオケでのことちゃんと謝れてなかったから」









あたしは蕪木廉に言われてその時の記憶がフラッシュバックされた








せっかく忘れてたのに〜!!!!!!









「もうあれはなかったことにしましょ!」










「え?もしかしてお前ファーストキス?」








「違うわよ!元彼ちゃんといたわ!」









「なんだぁ〜

つまんねーの」








蕪木廉は残念そうな仕草をみせた







「とにかく今は犯人探しよ!

行くわよ!」








あたしは荷物をまとめて出て行こうとすると蕪木廉があたしの腕を掴んで止めた










「ちょっとなにすんのよ」









「そこ必要はない」









「なんでよ」









「今日ここに来たのはそのためなんだ」








「え?」









「ここ実は探偵事務所だから」