お前のことは好きだけどそれがなにか?







あたしはロビーで夏子さんから渡された教材をバックに入れて玄関をでた









そこにはジーパン姿に黒のジャケットを羽織った蕪木廉が立派なバイクとともに立っていた










まるで雑誌の撮影のように彼は一層輝いている










蕪木廉はあたしに気づき








「おせーよ」








と言った










相変わらず偉そう











「もしかしてこれで行くの?」










「なんだよ、文句あんのかよ」










「自家用タクシーかと・・・」










「俺はこっちの方が好きなの」









そういいながら蕪木廉はヘルメットを被りバイクにまたがった









「ほらよ」









黄色の小さいヘルメットをあたしに投げた









あたしはそれを被りバイクの後ろにまたがる









「お前落ちそうだからこうしてろ」









蕪木廉はあたしの手を掴んで自分の腰に回させた








よくドラマとかで見るシーンだけど









やっぱり結構ドキドキする









「ねぇ、どこいくの?」









「ついたら教える」









蕪木廉はエンジンをかけ走り出した









蕪木廉は下道をずっと走っている









あの人気スターがあたしの目の前にいて









あたしが乗っているバイクを運転している









これってとてもじゃないけど経験できない









やがて表参道の裏道にはいり









人通りが少ない下り道でバイクは止まった









「ここどこ?」









あたしはヘルメットを外しながら言う









いつの間にかヘルメットを外した蕪木廉はなにも言うことなくスタスタと歩いていく









「ちょっとなんとか言いなさいよ!」









あたしは早歩きをして蕪木廉を追いかけた









蕪木廉は地下へと続く階段を降りてその先にあった小さな扉のドアにを開けた









あたしもそれに続いて中にはいる









その扉の中にはおしゃれなカフェがあった









まさにアンティークな店内は









木で作らておりログハウスそのものだった









立派なカウンターと6席ぐらいのテーブルがある









しかし店内にはお客さんも定員さんもいない









静かな空気の中、突然の置くから物音がした









奥から出てきたのはエプロン姿のダンディーなおじさんだった










「廉、まだオープンしてないぞ」









そのおじさんは慣れたように蕪木廉に話しかけた








「席借りてもいい?」










「コーヒーぐらい頼んでいけよ」










「わかってるよ」









そう言って蕪木廉は一番奥にある窓側のテーブル席に座った










あたし、どうすればいいのかな・・・









あたしが立ち尽くしていると









「おいえのき

何してんだよこっちこいよ」








と言った








誰もいないから小さい声でも店の中に響きわたる








「わかったよ」









あたしはスタスタと店の中を歩き







蕪木廉の向かい側に腰を下ろした