部屋に取り残されたあたし達は








ますます気まづい雰囲気に







蕪木廉はドアにもたれかかったまま








あたしはべっとから降りて持ってきた荷物が入った箱を一つ一つ取り出していった







「おい」







蕪木廉に呼ばれてあたしは仕方なく振り向く








「なにってうわぁ!」









振り向くと蕪木廉が尋常じゃないくらい近くに立っていた









「びっくりさせないでよ」









「お前、いくつだ」









「17よ」










「誕生日は?」









「5月9日」









「はぁ〜同い年かよ」








「なんか文句あんの」










「俺年上が好みなんだよね」








「はぁ?」








こいつ全然反省してない









「言っとくけどねあんたが夏子さんの息子さんだから普通に接するけど、あんたのこと許したわけじゃないからね」









「あーあのこと」








蕪木廉は思い出したように呟く










「あんた、城乃内財閥の次男だよね?

なんで蕪木って名字なの?」









「蕪木廉は芸名」









「あ、そう」









蕪木廉は芸名なのね











「さっさと出ていってよ!
いろいろすることが沢山あるんだから!」








「手伝おうか?」








「結構よ!」











あたしがそう言うと蕪木廉は愉快そうに扉に向かって歩いていく










そして出ていくかと思いきや









「服着替えたほうがいいと思うぜ


あんたには似合ってるけど


クローゼットの中にあるワンピースのほうがこの家にはふさわしいよ」











と言い放って出ていった














まじでムカつく