お母さんに連れてこられてきたのは駅から10分くらいのオシャレなカフェだった










「お母さん、会わせたい人ってだれ?」








「うーんもう少しで来ると思うんだけど・・・



あ、きた!こっちこっち!」








そう言ったお母さんと同じ方向をみると背の高い綺麗な人がいた








お母さんと同い年くらいだろう







ブロンドのロングヘアでスタイルはモデル並みだった







華麗な仕草で目の前のソファに座る








「この人はお母さんの中学時代からの親友の夏子ちゃん」








「城乃内夏子です。よろしくね」








夏子さんという人はあたしに向かって綺麗にお辞儀した











「今日ここにあんたを連れてきたのはすごく大事な話しがあるからなの」








お母さんは今までに見せたことのないような表情をして話し始めた








「あのね、うちのお父さん海外転勤になったの」









「え!?」








「急な話でごめんね」







うちのお父さんはいつも転勤を繰り返していていわゆる単身赴任だった








「お父さんを海外に1人で行かせるなんてできないし、今までにずっと単身赴任だったから今回は私も行くことにしたの」









「そ、そうなんだ」







衝撃的過ぎて言葉がでない







「じゃ、じゃああたしと翔はどうなるの!?」









翔というのはあたしの弟でまだ小学生だ








「うん。そのことなんだけど翔はまだ小さいから一緒に海外に行くつもり
本人も朝聞いたら喜んでついてくるって」












「え、ちょっとまってじゃああたしは?


あたし日本にいたいよ!」













「そういうことだと思ったわ

だから夏子ちゃんに面倒を見てもらうことになったの」











「え?」









あたしは驚いて夏子さんの顔を見た









「そういうことなの

私の家それなりに大きいし、茜ちゃん1人預かるくらい全然問題ないの

それに、優子ちゃん(あたしのお母さん)には昔からお世話になってていつか恩返ししたいと思ってたのよ

是非うちに来てちょうだい」









夏子さんは優しい顔であたしの顔をみた








「ね

そういうことだからあんた面倒みてもらいなさい


夏子ちゃんは喜んでOKしてくれたのよ」








「あ、じゃあよろしくお願いします


夏、子さん・・・」







あたしはぎこちなくお辞儀をした










「あ、それと大事なこと忘れてたわ」








お母さんがそう言うと夏子さんはそういえばという顔をして話し始めた









「そうだ茜ちゃん

一つだけ大事な条件があるんだけど・・・」








夏子は申し訳なさそうな顔をした








「どんな条件ですか?」









「それはね、茜ちゃんが
城之内学園に転入することなの」









「え!?」








思わず大きな声が出てしまってお母さんに叩かれた











城乃内学園というのは日本で一番といっても過言ではない超一流の名門高校











城乃内学園に通っている生徒達はどれも金持ちと有名な芸能人で簡単には入れない誰もが憧れる高校なのだ











「それはいったいなぜでしょうか」








「実はうち、城乃内財閥の社長一家なの」










「えぇ!!??」








さらに大きい声が出てしまいまたお母さんに叩かれた








あたしはお母さんの顔をみる







「すごいでしょ夏子ちゃん

20歳で城乃内財閥の御曹司と結婚したのよ」








うぅ・・・これぞ究極の玉の輿











まぁこんなに美人だったらありえるか










『城乃内財閥』は世界でも有名な超一流企業



























城乃内学園は城乃内財閥が経営している高校なのだ








「どう?うちに住んでる限り城乃内学園に通わない選択肢は残念ながらないのよ

私の妹が理事長してるから・・・」









夏子さんはさらに申し訳なさそうに言う













城乃内学園に通うのはかなり大変だとおもうけど、あそこを卒業すればどこの会社だって通用する








「夏子さん。あたし城乃内学園入ります





これからよろしくお願いします!」










あたしは深く頭を下げた