「なんであの場から逃げる必要があったんだよ」
唐澤はいつもの調子であたしを睨んだ
「いや、まぁ、その、
いろいろありまして・・・」
もう、こいつのせいであのふたりのことよく見れなかったじゃないか!
「大体、あんたがあそこにいなければ!」
あたしは思わず独り言をいう
「あ?
それどういう意味だよ」
唐澤はいつの間にか足を組んでいた
てゆうかこんなとこでひと息ついてる場合じゃない
あのふたりに見つかる前に早くここを出なきゃ
「連れ出しちゃってごめんなさい
あたしもう行くから」
あたしはベンチから立ち上がり歩き出そうとした
すると
「おい、待てよ」
そう言って唐澤は離れようとするあたしの腕を掴んだ
「ちょっと
離してよ」
あたしはそう言って抵抗したが男の力に勝てるはずもなく腕は解けなかった
「せっかくプライベートで買い物できると思ったのにあんたにぶち壊されたから責任とってくれる?」
唐澤は嫌味なほどの笑顔であたしを見た
変装のためのサングラス越しでも目が笑っていないのがわかる
「何言ってんの?
ぶち壊したとか大げさだから!」
あたしはなんとか手を振り払いその場からすぐ早歩きで逃げ出した
唐澤はそれ以上追いかけてこなかった
