お前のことは好きだけどそれがなにか?







「なによあんた


泣いてるじゃない


嬉しすぎて声も出ないってか!」








由美は座ってるあたしの顔をみて笑った





そうか・・・由美やファン、あいつらには






女の子の涙は喜びにしか映らないのか・・・







あたしは下を向いて苦笑いをした
















「河瀬!河瀬!ちょっと前見て!」







大きく揺さぶられて目の前をみると『Emperor』やバックダンサーの男の子達がステージからでて花道を歩いている








「サインボールの時間だよ!!





河瀬もアピールして!





唐澤君の取ってね!」








唐澤君というのは由美が好きな人で






もうひとりの『Emperor』のセンターだった








「あーはいはい」





由美のために前を向いていると






見たくもない顔が近ずいてきた





蕪木廉だった







「廉くーん!!!」






周りのファンは大きな声で蕪木廉にアピールする







だめだ






蕪木廉の顔をみたらまた泣いちゃいそう






あたしは顔を背けた






「おい」








上から声がして顔を見上げると







そこには蕪木廉の顔があった







「え?」







なにが怒ってるのかわからなかった






蕪木廉はなれたようにサインボールに何かを書き始めあたしの手にサインボールを握らせた








「いいなぁ〜」






周りから嫉妬の声が耐えない







するといきなり蕪木廉は顔をあたしの右元に寄せた






どういうこと・・・







「電話まってるから」






綺麗なハスキーボイスが耳にかかりあたしは
くすぐったくなって







「キャッ」





ととっさに蕪木廉から離れた







蕪木廉は人差し指に口元に寄せて






口パクで「内緒だよ」とウィンクしてステージへ戻って行った







「「キャー!!!!!!」」









周りにいたファンは発狂し






もっと嫉妬の目が向けられた















「河瀬!あんたやったじゃない!」









「蕪木廉の大大大サービスだよ!」








由美はひどく興奮している








「え?」







「あの人たまにやるのよー!


手渡しサインボール!




ねぇなんて言われたの?」










「え・・・」









「早く!

もったいぶってないで教えてよ!」








「えっと、今日は来てくれてありがとうだって」









「ひゃ〜いいなぁ!!」









サインボールをこっそり見るとそこにはなんと電話番号が書いてあった