パーティー会場の奥側に誰も来ないようなひっそりとした空間があった
あたしはそこにあるベンチに座って会場を眺めた
「茜?」
奥から声がして見てみてると蕪木廉が立っていた
あたしと目が合いこっちにくる
「どうしてお前がここにいんだよ」
蕪木廉はグラスを片手に座っているあたしを見下ろした
タキシードが似合っている
「玲子の付き添いだよ」
あたしは仕方なく答えた
すると奥にこっちを睨んでいる唐澤の姿が見えた
こっちに来るかと思いきや反対方向へ背を向ける
こんな公の場で喧嘩でもしたら大問題だもんね
「廉ー?」
どこからが可愛い声がして見渡すと雨宮さえがいた
ビビットピンクの派手なドレスを上手に着こなしてる
蕪木廉に気づきこっちにきてしまった
あたしは顔を隠したがすぐにバレてしまう
「なんでこの子がいんの」
雨宮さえは冷たい声と目であたしを黙らせた
「別にいいだろ
同級生なんだし」
蕪木廉は雨宮さえにそう言う
「玲子の付き添いで来たの
用が終わったらすぐに帰るから」
あたしはそう言った
「是非ともそうしてほしいわ
行きましょう廉」
雨宮さえは横目であたしを見ながら蕪木廉の腕にしがみついた
大胆だな〜
あたしが雨宮さえに関心してると蕪木廉はその腕を振りほどきどこかへ行ってしまった
「はぁ?」
雨宮さえはため息をつく
そしてあたしを睨んだ
「あんたがどうやって廉をそそのかしたか知らないけど、これ以上関わるなって言ったでしょ!?
日本語もわからない?」
強い口調でそう言う
そう言われても・・・
「あっちから話しかけてくるのよ」
この発言が雨宮さえに火をつけた
「信じらんない
廉に好かれてるとでも思ってるの!?
いい?
あんたはただの庶民
あたし達は誰もが知るスターなの
手安く話しかけるなんてありえないから
あんたとは住む世界が違うのよ」
雨宮さえはそう言った
本気で怒っている
そんなこと前からわかってるし・・・
「ここに来ることじたいが間違ってたようね
早く帰らしてあげる」
そう言った瞬間雨宮さえあたしに近づいて誰にも見えないように着ているワンピースにぶどう酒をかけた
水色の綺麗なドレスが濃い紫で染められていく
「ちょっとなにすんの!?」
雨宮さえは持っていたワイングラスをあたしに押し付けどこかへ行ってしまった
うそ・・・ありえない・・・
ショックすぎて涙も出てこない
周りの人から視線を感じる
恥ずかしい
どこからともなく蕪木廉が一目散に走ってきてあたしの手を引いた
雨宮さえの視線を感じる・・・
そして蕪木廉はパーティー会場のからあたしを控え室へ連れ出した
