「返して!」
通話が終わったのが分かってあたしはすぐに蕪木廉からスマホを取り上げた
「ばかじゃないの!?
あたし達が一緒に住んでることバレたらどうするの!?」
こんな時間に2人が一緒にいること自体おかしいし・・・
明日絶対唐澤昂輝になにか聞かれる
「見せつけてやったんだよ」
蕪木廉はそっぽを向いてそう言った
「どういう意味よ」
「それよりなんでこいつが茜の番号知ってんだよ」
蕪木廉はあたしの質問を無視してそう聞いてきた
「無理矢理交換させられたの」
あたしがそう言うと蕪木廉はため息をついた
「どうしようもねーな」
しばらく沈黙が流れた
何も言う言葉がなくて少し気まづくなる
「あ!そーだそーだ」
突然蕪木廉がそんなことを言ってびっくりする
蕪木廉はポケットから小さな紙袋を取り出してあたしに差し出した
「なにこれ?」
あたしはそう聞いた
「開けてみろよ」
蕪木廉にそう言われて紙袋を受け取る
丁寧にセロハンテープを外し
紙袋を逆さにして中身を手に取った
みるとそれはペンギンのイヤホンジャックだった
「え、どうしたのこれ!」
あたしがそう聞くと蕪木廉は恥ずかしそうにそっぽを向いた
「水族館で買った
あの時勝手に連れ回したお詫び」
あぁ、そういうこと
てか結構可愛い
蕪木廉がこんなの買ってたんだ
「あんた意外とセンスいいんだね」
あたしは笑いながら言った
「あたりめーだろ」
蕪木廉は手をうなじに回す
「ありがとう
ありがたく使わせていただきます」
あたしは早速持ってたスマホにイヤホンジャックを装着した
うん
似合ってる
「じゃあ俺もう行くから」
蕪木廉はベンチから立ち上がってそう行った
「どこか行くの?」
「りょーちゃんに会ってくる」
りょーちゃん・・・
あら菅原先輩のとこね
ってことはクラブかよ!!
「気おつけてね」
あたしがそう言うと蕪木廉は
「おー」
と言って中庭を出て行った
