お前のことは好きだけどそれがなにか?








その夜








あたしはお屋敷の中庭にあるベンチに座っていた







不思議とここに座ると落ち着く









それは多分小さい頃に見たあの景色が



ここから見える景色に似ているからだと思う








ここは崖の上にあるから中庭からでも街を見渡せる







ピロリロリン







突然スマホがなり画面を開くとまた唐澤昂輝から着信がきていた







いつもように拒否しようと思ったけど







いつもよりなぜか気分がよかったあたしは







思わず通話ボタンを押してしまった







「やっとでたな」







電話の奥から唐澤昂輝の声がする







「何の用?」







あたしは冷たくそう言った







「今どこにいんの?」







一瞬ドキッっとしてここが蕪木廉の家だということを思い出す







「外よ」







あたしがそう言うと電話の奥で唐澤昂輝が笑う声がした






「そんなのわかってるわ

どこら辺にいんの?」







いつもより声が柔らかい







「教える必要ないでしょ」







あたしはそう言う







「相変わらず冷めてーな


俺は仕事の合間にこうやって電話してやってるんだぞ?


9時に終わってそらから学校行って補習行って


少しくらい優しくしろよ〜」







あたしはなにも言えなくなる







「おい、聞いてんのか」







「聞いてるわよ」







「じゃーなんか言えよ」







いつもならもう切ってるけど今はそんな気持ちにはなれなかった








気づくと蕪木廉がドアから出てきて中庭にきていた






あたしに気づきこっちに歩いてくる







やべ







「ごめんもう切るね

お仕事頑張って」







あたしはそう言って強制的に通話を終わらした







蕪木廉があたしの横に座る







「誰と電話してたの?」








「友達!」








あたしはぎこちなく言う








「じゃあ俺が来ても切る必要ねーだろ」








確かにそうですね・・・








あたしが黙っていると蕪木廉は大きくため息をついた







「今日は悪かったな


勉強の邪魔して」








蕪木廉は下を向きながらそう言う








「えっ?」








あぁ、雨宮さえのことか








「別に気にしてないよ」








あたしがそう言うと蕪木廉はあたしの顔を覗き込んで






「ほんとに?」








と言った







だから近いって!!








「ホントにホント!」







あたしはそう言いながら顔を離す








「あんたと雨宮さえの関係ってなんなの?」






蕪木廉に向き直しそう言う







すると蕪木廉ははぁ〜と呆れた







「別に恋愛関係とかねーよ」







「じゃあなんで雨宮さえはあんなに蕪木廉にこだわるの?


少なくともあっちは君のこと好きだよね?」







あたしは少し笑いながら言った







すると蕪木廉はあたしを軽くチョップする







「なにすんの!」







頭を守りながらそう言うと蕪木廉も笑った







「あいつのことはなんとも思ってねーよ


だから心配すんな」







蕪木廉はそう言った







ん・・・?


まてよ・・・







「なんで’’心配すんな’’なの?


あたしがあんたのこと好きみたいじゃん!」







あたしがそう言うと蕪木廉は







「え?お前俺のこと好きじゃなかったの?」







とからかうように言った







「違います」







あたしはそう言って前を向いた







「ふーん・・・


俺はあんたのこと嫌いじゃないけどな」







蕪木廉もそう言いながら前を向く







「そう思っていただけて光栄です」







あたしは恥ずかしさを紛らわすように言った







ピロリロリン







またあたしのスマホがなり画面をみると

唐澤昂輝から着信がきていた







またかよ・・・







そう思って拒否しようとすると







それに気づいた蕪木廉があたしからスマホを取り上げ







代わりに電話に出た







「えっ!

ちょっとなにしてんの!?」