’いつかお互い夢を叶えてそれぞれのステージで会おうね!’
四年前
そう約束をして引っ越して行った親友がいた
彼女が目指していたのはトップアイドル
小さい頃からずっとそれだけを夢みていた
目を輝かせて未来を語る彼女を
あたしはいつもそばで見ていた
「みてみて茜!
私、オーディション合格したよ!」
彼女が夢への道を切り開いたのは中学1年生の頃だった
日本一の女性アイドル事務所『Gstorm』
彼女はその研修生オーディションに合格したのだという
「私頑張るよ。絶対デビューしてトップアイドルになってみせる」
「うん。
あのね、奈那
決めた
あたし、作詞家になるよ」
彼女と同じように夢へ真っ直ぐに進たい
あたしはずっと前から興味を持っていた職業を初めて彼女に打ち明けた
「作詞家か・・・
かっこいいね
頑張って!うち応援する!」
「あんたのデビュー曲はあたしが作詞するよ」
「いいねぇ!それ!」
「でしょ?
じゃあ、また会える日まで」
指切りげんまんをしてうちらは大きな夢を約束した
彼女の乗る電車を最後まで見送って涙が少しこぼれたことを覚えている