空に星が輝く限り、私はきみを忘れない~Dearest~

そんなある日、一ノ瀬くんが言った。


「そういえばさ、その〝一ノ瀬くん〟っての、やめねぇ?」


「え?」


「苗字で呼ばれること、あんまないから何か慣れないんだよ。昴でいいから」


「え、でも」


「いいから。な?」


少しためらったけど、私は思いきって口にした。


「す、昴くん……」


「くんもいらない」


「え?」


「昴でいいって」


「え、ええー」


さすがにそれはちょっと。


「いいだろ。昴って呼ばなきゃ、もう返事しないからな。かわりに俺もお前のこと、梨沙って呼ぶから」


うう、そう言われたらその通りにするしかない。


私は覚悟を決めた。


「す、昴……」


「梨沙」


「昴」


「梨沙」


どうしてだろう。


何だか、ずうっと昔からそう呼び合っていたみたいに、しっくりときた。



屋上での時間は、本当に楽しかった。


まるでそこは別世界で、それまで真っ暗な夜みたいだった日常に、星の光が射し込んだみたいだった。


一日一日を過ごす度に、私は一ノ瀬くん――昴のことが好きになっていった。


昴は私の一番星だ。


この世界のどんなものよりも光り輝いていて、私の世界を明るく照らしてくれる、まばゆい星。


そう、思えた。