そして昴が自分で言っていた通り、彼の姿はどうやら私以外にはだれにも見えないみたいだし、声も聞こえないみたいだった。



うちのお母さんに話しかけてみたり、外に行って通行人に手を振ってみたりしたけれど、だれ一人として昴の姿にも声にも気が付かなかった。

生きていた時の昴は、ただそこにいるだけであんなに人目を惹く存在だったのに。




ただ、動物の方がこういう勘はいいのか、飼い猫のココアは不審そうな表情できょろきょろと辺りを見回していたけれど。