昴の幽霊といっしょに暮らするようになって、分かったことがいくつかあった。


まず幽霊は、お腹が空かない。


何も食べなくても平気だし、喉が渇くこともない。


ただ眠くはなるみたいで、夜になると、ふわふわと部屋の中を漂いながら寝息を立てていた。

何だか水族館の魚みたいだな、とおかしく思った。


また幽霊らしく、壁を通り抜けたり、空を飛んだりはできるみたいで、最初の内は「おお、すげぇ、星が近くに見える!」と言ってはしゃいでいた。

もう、こういう子どもみたいなところは幽霊になってもぜんぜん変わってないんだから。