「ごめん、すぐに支度するからちょっと待ってて!」


慌ててクローゼットを開けて、着替えを始める。


もちろんその間、昴には部屋の外に出て行ってもらった。
壁をすり抜けられるから油断はできないんだけど。


「待った!?」


「ううん、だいじょぶ」


五分で着替えて玄関まで行くと、いつものとびっきりの笑顔で紗英は迎えてくれた。


紗英とは、小学校からの友達だ。


明るく元気で、オシャレで、とっても可愛い。


席替えで、たまたま隣の席になった時に声をかけられたのが始まりだったと思う。


それ以来ずっといっしょで、ケンカをしたりもしたけれど、一番の友達だ。