ピンポーン、と玄関のチャイムが鳴った。


今日はお母さんは仕事で、お姉ちゃんは旅行中だ。


一階まで下りていって、インターホンを覗きこむ。


『やっほー、梨沙♪』


画面の向こうにいたのは、親友の紗英だった。


そうだった。今日は紗英といっしょに買い物に行く約束をしてたんだ。


ここのところ昴のことで頭がいっぱいだったから、すっかり忘れてしまっていた。