百年の恋





私は帰って思い切り世話役のトキにげんこつをもらった。


咲夜は案の定裏切り、私は一人で長々と説教をくらい父上の仲裁がなければきっと朝方まで怒られていたかもしれない。

父上も私のとんでもない泣き顔を見て哀れに思ったのだろう。


父上が一言世話役に言うと、トキは唸って「次はありませんよ」と伝えてその部屋を出て行った。


世話役のトキは私が生まれてからずっと私の世話をしてくれている。

もうすぐ五十になるというのに元気健康そのものだ。

健康なのはいいことなのだが、怒ると本当に怖い。

これだけはどうにかしてほしい。



父上が女中に私の夕げを用意するように言ってくれて、

小さな握り飯を二つ貰って父上は公務に戻ってしまった。



今回のトキは怖くて怖くて思い出すだけで涙が止まらない。

結局涙をぬぐいながら小さな部屋で握り飯を食べ終え、私は自室に戻るために廊下に出た。




.