「それで柚季。彼は清十郎の息子の真じゃ」
「昨夜ぶりでございます。姫様」
真はまた私に向かって深々と頭を下げた。
「緒方真にございます。よろしくお願いいたします」
「よ、よろしくお願いします…」
私も反射的に頭を軽く下げた。
「真は柚季とあまり歳が離れていなくてな。この地に戻ったならば柚季の話相手になってもらおうかな、と」
「…え!?」
父上!今なんと!?
「お前はあまりこの城を出たことがないから、各地を回った真の話を聞きたいと思ってな。勤勉で武術にも優れておるから、咲夜と共に柚季を守ってほしいと思ったのじゃ」
「は、はあ…」
たしかにあまり外にでないから様々な地方のことは気になってはいるけれど、話相手がよりにもよって彼なんて!
嬉しいけれど、なんだか気恥ずかしさが残る。
目線を真のほうに向けると、彼は微笑んで私をまっすぐに見てきた。
「よろしくお願いいたします」
「こちらこそ、よろしく…」
微妙な気まずさの中で、私は苦笑いしかできなかった。
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