歯をくいしばる







もっと早く、出会っていれば__________________









こんなことにならなかったかな?









もっと早く彼の存在に気付いていれば____________










今よりも親密になれたかな?










後悔の波が私を容赦なく襲った











心が、痛い











我慢できず、目から涙が溢れた










そんな私に彼は驚く










「何で泣いてるんだ?」










「悲しいからよ」








彼はこれ以上何も言わなかった









すると彼は、私の持っていた小袋から水色の金平糖を取り出す









「…いつから涙は青色とか、水色になったんだろうね?」









「え…?」









彼は続けた










「涙は、透明じゃないか」










「…色彩感覚の問題よ」











私は涙を拭う











「悲しみと言ったら青とか水色とか…涙は川に流れる水とは違うの、感情によって現れる特別なものよ。それを色で表すには青と水色だったのよ、きっと」











自己満足することしかないこの脳みそをフル回転させる












人は何で悲しい時泣くんだろう、何で青や水色なんだろう











そうか、と彼は言い私の口の中に金平糖を入れる








「涙色の金平糖、どんな味する?」










彼はまた私に弱々しい笑みを浮かべた











「…しょっぱい」











涙色だけじゃなく、涙の味がした








〜fin〜