涙色の金平糖【短編】





「ソーダの味が一瞬したと思えばすぐ砂糖の味がやってくる…考案者は凄いことを思いつくもんだな」










彼は感心したかのように呟くと、顔に影が落ちる









様子が変わったのを察知した私は嫌な予感がした







「3ヶ月も、あっという間だろうな…」








ドクンッと先ほどとは全く違う心臓の嫌な音が聞こえた









どんなに一生懸命生きたって勉強したって神頼みしたって、時間は戻ってこないし増えるものでもない








そう思ったら今この時間がとても愛おしく感じる









同時に、叶わない恋も____________










「3ヶ月、あったら何したい?」







「私は…」








突然切り出された疑問








答えは決まっている








「そばに、いるよ」








1時間1分1秒でも時間があるなら私は彼の隣にいる







「暇人だね」








クスッと笑われたと思ったら、軽くあしらわれてしまった








それは私の心を傷つけるものだったが、仕方がなかった








失恋しても実っても、彼は3ヶ月後ここにはいない








私の、記憶の中でしかもう彼に会えなくなる









フラれた寂しさより、2度と会えなくなる恐怖や不安に悲しくなってくる