「俺の好きな金平糖持ってくるなんて、わかってるね」
また私に向かって微笑む
「自分で言ってたじゃない」
彼の元へ毎日行くようになったのは、1ヶ月前
お互い他人だった関係が、今友人と言える関係まで発展したのだ
今思えばよくやった、自分!
「そうだったけか。まあいいさ」
彼の視線は窓の外へと移された
…もっと、私を見ていてほしかったな
そう思うのはわがままだろうか
わがままに違いない
彼はもう、あの外へ出ることは許されないのだから
すると、病院の庭にあるたくましい木に一羽の鳥が止まる
彼の目にはきっとあの鳥がうつっているだろうか
そう思うと、一緒にベッドの上に座って彼がすぐ近くにいるのに、なぜか遠い存在のように感じた

