「どうして生きていたいとおもうの?」

「俺ね、空見てみたい。」

「...は?そんなのいつでも見れるじゃん」

え、もしかしてこの人...

「俺、目見えないから」

悲しそうに笑いながらそう告げた。

「ごめんなさい、無神経な質問しちゃって」

「いや、別にいいけどw
今お前がたぶん申し訳なさそうにしてる顔も今の空も何も見えてないんだ。
全部俺の世界は真っ白だ」

「...」

「はははw暗い話してごめんなw
てかなんでお前はここで死のうとしたんだ?」

「あたしも空好きだから
綺麗な場所で死にたくて。」

「そうか。ここ空綺麗なんだな…」

おもむろに顔を上げて空を眺めた

まだ明けたばかりの空

オレンジ色と水色が綺麗に混じってキラキラしていた。

彼もまた空を見上げていた

何も見えないと知っていながら

何を思いなにを見ているんだろう

儚げに見えるはずもない空を見上げる彼から目をそらすことは出来なかった。