ピピピピ

今日も朝は来る。

「朝...か...。学校、行きたくないなぁ」

そんな独り言に応える人なんてもちろんいなくて、仕方なく支度をした。

「行ってきます」


綺麗な桜が満開に咲いてる。

「桜なんて、早く枯れちゃえばいいのに。」

そう呟きながら空を見る。

「透き通ってる青...綺麗だなぁ」

そんなこと考えながら上を向いて歩いているとドンっと誰かにぶつかった。

「ご、ごめんなさい!わ、私が上を向いて歩いたりなんかしたから...!」

そういってペコーっと深くお辞儀をした。私は泣きそうだった。

私とぶつかった人の制服が私と同じだったから。

「ううん、こっちこそごめんね?大丈夫?君こそ泣きそうだけど....」

「い、いえ、だ、大丈夫です!」

顔を上げると整った顔立ちが目の前にあった。

ハニーレモン色の少し長いふわふわの髪の毛。
空のように透き通った声。
ぱっちり大きな二重の目。
ほのかに香る甘い匂い。
少し顔をかしげる可愛い動作。
人懐っこそうな笑顔。
少し着崩したカーディガンと制服。

女のコみたいだと見惚れてしまった。

何秒間も見つめてしまったのだろう、

「どうしたの?本当に大丈夫?どっか打ったりしてない?」

と心配そうに美少年は顔を覗いてきた

「ほ、ほんとに大丈夫です!ほ、ほんとにごめんなさい!」

慌ててもう一度謝ると

クスッ

「へ?」

笑われた気がして間抜けな声が出てしまった

「クスッ、ごめんね。たくさん謝る子だなぁって思って」

そういって見せた笑顔にドキッと胸がなって顔が熱くなった。

「ご、ごめんなさい!」

そういって私は学校に逃げるように向かった。