カッターが私に触れようとした瞬間

黒くて低い声が教室中に響いた


「誰に手出してんだよ」


その声の主を探して視線をさまよわせた私は泣き出してしまった

そこには見たこともない程怖い顔をした美月君

美人な顔が台無しになってしまうほど歯を食いしばり怒りをあらわにしてる里奈がいた

「桜ちゃん、桜ちゃんは一人じゃない」

「私達を頼ってよ、桜」

二人は私の闇を包み込むように笑った