夏期講習の最終日、塾で全員強制の全国模試を受けさせられた。

俺にとって、初めて きちんとした偏差値とかいうものが測定されるテスト。

"テストが返ってきたら、結果 見せて" っていう約束をした。

1ヶ月後、テストが返ってきたら

「「いっせーのーで‼︎」」

テストを見せ合った。

僅差で頼の方が全てにおいて 上だった。
でも、俺もかなり良い結果。

第一志望校の判定はAだった。

頼の志望校を見てみると、同じ学校の名前がそこには書かれていた。
もちろん、頼もA判定をとっている。

「同じ中学に行けそうだね‼︎」

「あー……、ちゃんと結果が出て良かった。
一安心だ。」

確かに頼は時々 自習のために残って帰ったりしていたから 俺なんかよりもずっと勉強してるんだと思う。

結果、俺よりも成績がいいし。

でも、近くにいる大切な友達だからこそ 負けていたくないと思った。

今まではお母さんの言いなりで嫌々やっていた勉強に対する姿勢が変わったと思う。

それからの模試ではお互いに勝ったり負けたりの繰り返しだった。

志望校の合格判定は2人ともいつでもA。

迎えた入試本番、かなりリラックスした状態で問題を解いていくことができた。

もちろん、俺も頼も合格した。

お母さんは大喜びした。
お母さんを喜ばせてあげることができて、良かった。