次の日、朝礼が終わって直ぐに担任に入部届を提出した。
担任が印鑑を押す欄もあって、そこにハンコを押してもらってから 顧問の先生に提出して 入部ってことになる。
「まだ、入部体験もしていないのに 決めてしまって大丈夫⁇」
って心配されたけど、他の部活を見ても 気持ちは揺らがないと思う。
だって、オープンキャンパスの時に見た 軽音部のパフォーマンスに圧倒されて 愛夢の気持ちを初めて理解できたんだ。
確かに、音楽は好きだったけれど 人生の全てを捧げる意味は分からなかった。
折角、就職に有利なように良い大学を卒業したのに わざわざ 学歴なんて求められない一か八かの世界に飛び込んだのか 理解ができなかった。
でも、軽音部のパフォーマンスを見て 変わったんだ。
強く太い旋律が脳を直接 揺さぶるような激しい音の群れを聴いて、俺の心は少なくとも突き動かされた。
この学校に入って、軽音をしたい。
強くそう思ったから、時には辛い受験勉強も頑張ってくることができたんだ。



