あたしの課題がコピーされた紙を握りしめ、麗楽々はほうっと息を漏らす。


「よかったぁ~...、単位落としちゃうもん」

そう、いまは高二の夏。

受験生として、一番大事な時期だ。

来年の今は受験直前。

うかうかしていたら、単位なんてなくなってしまうのだ。

麗楽々は席に戻ろうとしたあたしを引き止めた。


「ねぇねぇ、こんな時期にさ、イジメとかさ、馬鹿だよねえ」


日そっと耳打ちされる。


「こんな時期に課題忘れる麗楽々もね」


そう一喝してやると、麗楽々はギクリと肩をすくませた。


「ごめんってば!」


あたしはクスクスと笑って、今度こそ席についたのだった。