昔、あたしに会う前。


いや、この、自殺志願者を助ける仕事をする前、ヘールは何をしていたのだろう。


優しいし、カウンセラー?

いや、それともお医者さんとか?


回想をしながらヘールの言葉を待つ。ヘールはなかなか口を開かなかった。


「ねぇ、ヘー...」


「殺し屋ですよ」


沈黙に耐えきれなくなったあたしがヘールを呼ぼうとすると、そう呟いた。


ころ...し屋?


意味がわからなくて、ハハハと笑ってしまう。


「こ、殺し屋って...。冗談はやめてよ~...」


それでもなお黙っているヘールの姿は、これが真実であることを裏付けていた。