じつは今日は土曜日なので、学校はない。


学校がない日にまで、舞美ちゃんや大河先輩に会わなければと思うと、気が遠くなる思いだった。


「それでは、さっそくドームへ向かいましょうか?まだ時間はすこしありますけれど」


ヘールが腕についている時計をチラリと見やって言った。


あたしはしばし考えたあと、ゆっくり首を横にふる。


「ううん、まだいいよ。それより、ヘールのお話が聞きたいの。


時間になったらドームに向かってくれていいから」


「かしこまりました。...とはいえ、何を話せば?」


「そうだな、個人的には、ヘールの昔話が聞きたい」